ライフハック情報大好き人間のブログ

普段の生活にちょっとした幸せを

【書評】サラリーマンは300万円で小さな会社を買いなさい 人生100年時代の個人M&A入門 (三戸政和著)を読んで

【書籍名】サラリーマンは300万円で小さな会社を買いなさい 人生100年時代の個人M&A入門 

【著者】三戸政和

【出版社】講談社

【初版出版日】2018年4月20日

【ページ数】約210ページ

「目次」

序章「人生100年時代は資本化になりなさい」

  • 収入という面では 「雇われ社長」よりも「会社という箱を所有しているオーナー社長」のほうが圧倒的に有利
  • 日本では、資産1億円以上5億円未満の資産家は全体の約2.16%。5億円以上の資産家は約0.14%
  • 「ゼロイチ起業」は難易度が高いので、すでに上手く回っている会社を買収したほうが成功確率は高い
  • 人生100年時代と言われているように、リタイア後40年生きる時代に「老後破産」しないように会社を所有することを勧めている

つまり、「会社を買う」とは、

①自分のキャリアを生かす

②資本家になることで労働の対価では得られない金銭的メリットを享受する

人生100年時代の老後不安から自由になる

を同時に実現する方法。

第1章 だから、起業はやめておきなさい

  •  ゼロイチ起業を行っても1000のうち生き残るのは3社ほどというレベルの難易度
  • 筆者自信の起業体験でもやはり想定外の出費等もあり難しかったと感じている
  • サラリーマンでの経験は起業で必要な「ゼロをイチにする」にはあまり役立たない

第2章 飲食店経営に手を出したら「地獄」が待っている

  •  飲食店経営は難易度が高いしレッドオーシャンのため、著者は「飲食店以外」のビジネスをおすすめしている
  • 飲食店経営に手を出して自殺してしまった知人もいる
  • 上手く生き残っているモデルというのは、住居・店舗兼用で家賃の固定費を軽減したり固定費や税金を上手く節約している
  • 日本の飲食業は経営の哲学書に載っているフレームワークを全て詰め込んで、やっと勝負の土俵に上がれるような非常に難易度の高いビジネス

第3章 中小起業を個人買収せよ

  •  起業するよりも、軌道に乗っている会社を買収するほうが「楽」
  • 創業から5年を超えると、その会社の毎年の生存率は90%を超える
  • 大企業のサラリーマン経験が中小企業で役に立つ
  • 中小企業は非効率や無駄も多く、それを解決するだけで利益が増えることも
  • 経営者としての「役員報酬」や「税務メリット」は魅力

第4章 100万の中小企業が後継社長を探している!

 会社を買う戦略への3つの疑問

疑問① 売りに出るのは価値のない会社なのでは?

  • 世の中の中小企業の半数以上は黒字廃業している。
  • 後継者不足で悩む企業は多い。「腕の良い職人」は経営のセンスは無いので社長は任せられない。
  • 黒字企業でも会社を清算したら負債が残ってしまうので、会社を相応の金額で買い取ってほしいと考える人も多い

疑問② 優良な会社は高くて手が出ない?

  • 売り手側の社長は高齢なことが多いので、年齢というリミットがあるため「安くても仕方が無い」となることも
  • ヴィンテージ企業を上手く見つけるのがミソ
  • 会社の値段に明確な基準は無い

→情報の非対称性を上手く利用し、割安の会社を見つけ、借入金なども上手く活用しつつ買収を検討する

疑問③ 売りに出る会社には未来が無い?

  • 時代の変化に沿って対応していくべし
  • 工夫次第で斜陽産業にもブルーオーションが開かれることも

第5章 「大廃業時代」はサラリーマンの大チャンス

 売出し中の企業の探し方

  • 「日本M&Aセンター(業界最大手)」「M&Aキャピタルパートナーズ」「ストライク」などの東証1部上場企業で探す。ストライクが運営する「SMART」というサイトで案件が探せる
  • 公的支援として各都道府県に「事業引き継ぎ支援センター」が設置されているのでそこで探す
  • ウェブサービス「TRANBI」で規模の小さい企業掲載されている

取引先を買い取るというのもおすすめの方法

銀行からの借り入れについても社長の個人保証(自宅を担保に入れる等)無しに借り入れ出来るようになったのでリスクは限定的になった

何もしないでいることも「リスク」であるので行動しよう

まとめ

 300万円で優良な会社が買えるのか疑問は残るが、ライフプランの選択肢の一つとして「中小企業を買い取って経営者になる」という方法もあることを教えてくれた良書だと思う。

私自身現在はサラリーマンであるが、本書と出会ったことで視野が広がり、将来の選択肢が増え、人生が豊かになる可能性が上がったような気がしている。